純愛♡ごっこ
シンが条件を飲んでくれた。
一年後には、親子三人で仲良く暮らせるかもしれない。
陸への想いは、否定出来なかったけど‥。
正義感の強い彼に、憧れに似た感情を抱いているだけ。
恋だと錯覚しているだけ。
そう、自分を戒めていた。
あの夜から、陸に書き込みも電話もしていない。
自分の感情が爆発するのが怖いから‥。
陸を“すき”だと認めてしまうのが怖いから‥。
彼は、現役高校生。
彼には未来がある。
それに、あたしは空羅の為に生きるって決めたんだ。
マンションの駐輪場に停めたままだった自分の自転車に乗り、あたしはマミの家に向かった。