純愛♡ごっこ
「うそ‥。」
「左のほっぺにナ♪」
「あほ‥。」
憎まれ口を叩きながらも、動揺していた。
そんなあたしに、陸は楽しそうに訊いた。
「ユーナ。それ、癖?」
「え‥?」
「ビックリしたり、テレてる時って、ユーナ、手で口を押さえるよナ♪」
─ あ‥
「そぉかも‥。」
自分では気付いていなかった癖。
それを指摘され、あたしは口から手を離した。
「ん、やっぱ可愛いナ♪」
「可愛くない‥。」
陸は、自分の癖に気付いてるのかな?
唇の右端を少し上げて笑う陸が、あたしの瞳に映っていた。