純愛♡ごっこ
「誰?王女ナントカって‥。」
「ケータイ小説書いてる人。」
現実は、小説みたいなワケにはいかない‥
そんな甘い恋愛なんて、あるワケが無い‥
「あたし、ソラと二人で生きてくって決めたねん。これに誓ったもん。」
あたしは、胸元に光るチェーンを摘んで、スペードを揺らして見せた。
そして
「自分との戦い‥やろ?」
しっかりと、陸の瞳を見つめて言った。
陸の首に掛かったチェーンの先は、黒いシャツに隠れている。
彼は、そのチェーンを外すと、あたしのスペードを摘んだ。