純愛♡ごっこ
 

「無理やもん‥。」


「無理じゃない。」


止まり掛けていた涙が、また溢れ出した。

あたしは、途切れ途切れになる言葉で彼に伝えた。


「あたしは‥、きっと、殴りたくなるタイプやねん。‥本気になって貰えへんタイプやねん。だから、リクだって‥。」


「オレがなに?」


「リクだって、いつかは‥、あたしを殴ったり‥捨てたりするかもしれへんもん‥。あたし、そんなんなったら‥イヤやから‥。耐えられへんから‥。」


陸は、泣いているあたしを、そっと抱き寄せた。


「殴りたくなるタイプなんて無い。てか、どんなタイプだって殴ったらあかんし。オレは、ンなことしない。ユーナを悲しませたりしないし‥。」


涙でグチャグチャになったあたしの顔を、陸が覗き込む。

あたしは俯いたまま、彼を見ることが出来なかった。


 
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