純愛♡ごっこ
車の中で、あたし達は無言だった。
奥さん、それに赤ちゃん。
何をどう問い質せばいいのか分からない。
隠されていたと知って、無性に腹が立っていた。
「ごめん‥。いつか話そうと思っててんけど‥。」
申し訳無さそうなシンの声も、今のあたしにはウザったい。
喫茶店の駐車場に停めた、真っ黒なスモークが貼られた車の中は、とても居心地が悪くて‥。
あたしは、不貞腐れたまま、彼に告げた。
「ごめんけど、別れてくれる?」
「あ゙?」
その瞬間だった。
あたしの右目に、激痛が走ったのは‥。