純愛♡ごっこ
「痛ッッ‥。」
シンの裏拳が飛んで来たんだ。
咄嗟に右目を押さえるあたし。
ジンジンと痛みが目の奥に響く。
「サイテー‥。」
呟くあたしを、シンはキツく抱き寄せた。
「ユーナが別れてとか言うからやんけ。」
「あたし、暴力奮うヤツ嫌いやねんけど!!」
彼の腕を振りほどき、あたしはドアに手を掛ける。
けれど、開かないようになっているから、降りることが出来ない。
「開けてよ!」
「ごめん!マジ、ごめん!もう二度と殴らへん!だから、別れるとか言わんといて!な?隠してたこと謝るから。今は、ほんまに関係無いねん!」
必死の形相で、シンはあたしを引き止めた。