純愛♡ごっこ
 

翌朝には、空羅の熱は下がっていた。

鼻水と咳が出ていたけど、空羅を保育所に預け、あたしは職場に向かった。


空羅が気になって夜中に何度も目覚めたからか、体に疲労感がある。

夕方には寒気を感じ、いつもの時間より一時間早く早退をした。



「ソラの風邪、ママに移ってたみたい‥。」


熱を測ると、38度あった。


どんなに体調が悪くても、空羅の世話を怠ることは出来ない。


昼間の数時間ならともかく、預けたくても、あたしには頼れる人がいない。


もし仮に、親が生きていたって、きっと空羅を預けたりはしなかっただろうけど‥。


「困ったな。どうしよぉね‥。」


呟くあたしに、空羅は無邪気な笑顔を見せた。


 
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