純愛♡ごっこ
「ほんまに大切やねん。だから分かってくれ。俺な、ユーナと結婚したいんや。」
あたしの悪いとこ‥。
“大切”
この言葉に弱いとこ。
─ ま、いっか‥
良くないことを、軽く済ませてしまうとこ。
暴力は、エスカレートすることを知っているのに、
“二度としない”
この言葉を信じてしまうとこ。
それに、あたしも嫌われたくなくて、彼に秘密にしていることがある‥
「うん‥。」
痛む右目を手のひらで抑え、あたしは、シンに頷いた。
「あのクソババア、いらんこと言いやがって‥。」
憎々しげに呟く彼に、違和感を覚えながら‥。