純愛♡ごっこ
8月二週目の日曜日。
約束の時間に、空羅をベビーカーに乗せ、電車で陸の住む町に向かった。
指定された駅前の広場に着くと、10人くらいの男の子達がスケボーをしていた。
それぞれが、ガラガラと音を立てながら華麗に路面を滑っている。
あたしは、辺りを見渡した。
「リク‥?」
いつものようにストリート系の服を着た陸が、スケボーで段差を軽くジャンプしている。
─ マジ?
めッちゃカッコイねんけど!
初めて見る彼の一面に、あたしの胸はDOKIDOKIしていた。
「あ、ユーナ♪」
片足でスケボーを立て、それを手に取って、陸は、こちらに近付いて来た。