純愛♡ごっこ
「リク~!こっち来て~!」
ギャルメイクに露出度の高い服を来た女の子達が、声を揃えて陸を呼ぶ。
─ 同級生かな?
気にしないよう努めてみても、少し気になった。
「なに?」
「なぁ、さっき喋ってた人、リクのお姉さん?」
「だったら、あたしら挨拶したーい♪」
「赤ちゃん、触らしてくれるかなぁ?めちゃ可愛いやん!」
さっきまでの高揚したキモチが一瞬にして消えた。
キャピキャピと陸に絡む女の子達を見て、苦しくなった。
ファッションセンスなら、あたしの方が上。
容姿だって、あの子達に負けない自信はある。
だけど‥、
“リクのお姉さん”
そう見えていることが、胸に悲しい影を落としていた。