純愛♡ごっこ
 

指先ひとつ動かすことが出来ないまま、恐る恐る瞼を開いた。


体は動かせなくても、眼球だけは動かせる。

そして、ソイツを確認した。



─ やっぱり‥



恐怖を感じながらも頭の中は意外と冷静で、あたしは動かせる瞳でソイツを睨んだ。


金縛りに合うと、いつもいる男。


真っ黒な影だけの形で、表情も何も分からない。

ただ、不気味で‥。


ソイツが強い力で、あたしの足首を掴んだ。


 
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