純愛♡ごっこ
思わず振り返るあたし。
駆け寄って来る陸。
あたし達は目を合わせたまま、少しの間、互いに無言だった。
「ユーナ、帰んの?」
先に、陸が口を開いた。
あたしは、黙って頷いた。
「じゃ、オレも帰る♪ちょ、待ってて。斗輝に言って来るし。」
友達に帰ることを告げ、陸はボードを片手に戻って来た。
あたし達は並んで、駅へと歩き出した。
「リク、モテモテやん。」
「そぉでもないし‥。」
気にすることじゃない‥
親友にも、女の子達にも“カノジョ”って言ってくれたやん‥
どんなに言い聞かせても、ココロは納得出来ずにいた。