純愛♡ごっこ
 

お風呂上がりの空羅がキャッキャッと声を上げ、ハイハイで逃げる。


「こら、待て♪」


陸は空羅を捕まえて、オムツを着けている。

そんな二人の横で、あたしは、バスタオルで髪を拭いていた。


「悪い子やナ、ソラは。ママそっくりや。」


そう言いながら、陸は慣れた手付きでオムツを着け終わり、あたしをチラッと見た。

その意味ありげな視線を不服に感じて、彼に訊いた。


「なんで、あたしが悪い子なん?」


「ユーナはスネキチやから♪」


「スネキチちゃうもん。」


「スネキチじゃん。さっきから態度が変だし。なんかあるなら、ちゃんと言えよ。」


「なんもない。」


愛想無く答えて、あたしは空羅にパジャマを着せた。


「声が“ある”って言ってんじゃん‥。」


陸は、あたしを後ろから抱きしめた。


 
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