純愛♡ごっこ
 

─ ヤメてよ!

  あほ!

  キモいって!



ココロの叫びは声にはならない。

男は足首を握る手に、更に力を込めると、あたしの魂を引きずり出そうとした。


ズルズルと体から魂が離れて行く。



─ イヤや!



魂のあたしは、ベッドの端を掴んで、思い切り腕に力を入れた。



─ オネガイ!消えて‥!



瞬間、フッと足首が軽くなり、あたしは、抜け殻になっていた自分の肉体に戻った。


頭の痺れは徐々に消え去り、ホッと安堵の息を吐く。

そして、そのまま眠りに就いた。


 
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