純愛♡ごっこ
 

仕事を終えて、スタッフルームで帰り支度をしていると、麗子さんが近付いて来た。


「ユーナちゃんは、陸ちゃんの通過点やね。」



─ 通過点‥?

  ヒドい言い草やな‥


  てか、ウザいねん‥



あたしは彼女を無視して、タイムカードを押した。


その態度に腹を立たみたい。

麗子さんは


「さっき、わたしに嫌味って言ってたけど、ユーナちゃんが陸ちゃん相手に遊んでるんじゃない?だから、嫌味に聞こえたんやわ。じゃなかったら、陸ちゃんがユーナちゃんと付き合うなんて、考えられないわ~。」


と、小馬鹿にしたような口調で言った。

そして


「こっちは親切で言ってるのに、嫌味なんて言われて、わたしのプライドが傷付いたわ!」


麗子さんは、ソファにドサッと音を立てて座った。


 
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