純愛♡ごっこ
 

朝、いつもの時間に目覚め、洗面台の鏡で顔を見た。

青色のアザに囲まれた右目が鏡に映っている。



─ サイアク‥



「こんな顔じゃ歩かれへん‥。てか、目なんか殴られて失明したら、どうしてくれんねん‥。」


一旦は許したものの、また怒りが込み上げて来る。

けれど、その感情を抑え、あたしは洗顔を済ませて、いつものようにシンを起こした。


「なんや?その顔‥。」


目覚めた彼は、吹き出した。

無神経なシンの態度に、苛立ちを覚える。


「なにって、昨日殴ったん誰?」


あたしは冷たく言い放ち、ベッドから離れた。


 
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