純愛♡ごっこ
chapter.20 SPHERE
このまま、メールも電話も来なければイイ‥
そう思った瞬間だった。
テーブルに置いていた、ケータイが鳴り出した。
『今から行く』
届いたメールを読み、あたしは慌てて陸のケータイを鳴らした。
─ 逢いたくない‥
逢えない‥
電話に出るなり、陸は訊いた。
「ユーナ、なんかあった?」
「別に‥、疲れてるから来て欲しくないだけ‥。」
あたしは、嘘の言い訳をした。
「オレの顔見たら、元気になるって♪」
「無理かも‥。」
愛想の無い返事をすると、陸は
「やっぱ、変やナ。いつものユーナと違うし‥。」
心配そうな声で言った。