純愛♡ごっこ
 

翌日は、仕事を休んだ。

何もする気にならなくて、空羅と部屋に引きこもっていた。


いつもなら愛らしい空羅の表情も、今日は微笑んで見れない。

全てが180度ひっくり返ったみたいに思えた。


気付けば、あたしは陸のことを考えていて‥。

何をしていても、自然と涙が溢れて来る。


失って初めて、こんなにも彼がすきなんだと思い知らされた。


切なくて‥。

ただ、切なくて‥。


自分から別れを選んだはずなのに、何度もケータイを手にしては、彼からの連絡を待っている。



─ 陸の《本気》なんて‥

  結局、この程度やん‥



鳴らない電話に虚無感があたしを襲う。


ココロ、ココニアラズ


必要最低限の空羅の世話をすることが、今のあたしには、やっとだった。


 
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