純愛♡ごっこ
 

シンは怖い顔で、あたしを見下ろしていた。


「やっと見付けたで。夕凪。」



─ どこから入って来たん?


  鍵、閉め忘れてた‥?



「脱げや。」


「イヤ!!」


「いつもゆーて来たやろ!素直にゆーこと聞けって!」


シンは大声で怒鳴り、羽毛の夏布団をあたしから引き剥がした。


「出てってよ!変態!」


「は?ヤりたいくせに何ゆーてんねん。このドMが。」


薄笑いを浮かべて、彼は片手にナイフをチラつかせる。

鋭い刃先を向けられ、あたしは動けなくなった。



─ 狂ってる‥



叫びたくても声が出ない。

恐怖が全身を埋め尽くした。


 
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