純愛♡ごっこ
 

「花火‥、行きたいな‥。」


まだ涙声のまま、あたしは呟いた。


「ん、行こ。三人で一緒に。」


陸は、優しい声で答えた。


あたしは、陸の胸に寄り掛かった。

彼は、とてもとても優しく抱きしめてくれた。



弱者のココロの叫びに耳を貸すことなく痛み付ける人達に、ほんの僅かでも良心があるなら‥


どうぞ、息を引き取る直前でも構わないから‥

後悔し、反省してください‥


己の行いを、深く悔いて‥


そして‥


地獄に堕ちてください‥



陸の腕の中で、彼の鼓動を感じながら、あたしは、そんなことを思っていた。


ふと振り向くと、ベッドで眠っていた空羅が、いつの間にか座っていた。


 
< 582 / 666 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop