純愛♡ごっこ
 

陸の両親は、交代で空羅を抱っこした。


「ルリは三月生まれだから、ルリより5ヶ月大きいのね。重たいねぇ、ソラくんは。」


空羅は泣き出すこともなく無邪気な笑顔で、おとなしく抱かれている。

あたしは、ホッと胸を撫で下ろした。


「私も、まりんを連れて再婚したからね。お付き合いに反対はしないけど、リクは、まだ学生なんだから、お勉強もちゃんとしなさいよ。」


「分かってるし♪」


「中途半端な心構えじゃあかんぞ。」


「黙ってくださいっ♪」


口々に意見する両親に、さり気なく反抗的な陸。

あたしは思わず吹き出した。


つられて陸の両親も笑い、意味も分からず空羅も笑った。


楽しい一時は、あたしに細やかなシアワセを感じさせてくれた。


 
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