純愛♡ごっこ
瑠璃色の夜空に、次々と鮮やかな花火が打ち上がる。
紺青色の空に大輪の花を咲かせては、輝きながら散っていく。
浴衣なんて、最後に着たのはいつだろう‥。
思い出せないくらい、久しぶりだった。
陸が花火大会に行くと言い、彼の母親が浴衣を貸してくれたんだ。
「まりんに買っておいたんだけど、あの子、自分で買っちゃったのよね。」
って‥。
藍色の浴衣は地味な柄だったけど、あたしはとても嬉しかった。
「ユーナ、チョー可愛いナ♪」
空羅を抱いて、陸が微笑む。
あたしは、
「うん♪」
って、頷いた。