純愛♡ごっこ
 

瑠璃色の夜空に、次々と鮮やかな花火が打ち上がる。

紺青色の空に大輪の花を咲かせては、輝きながら散っていく。


浴衣なんて、最後に着たのはいつだろう‥。

思い出せないくらい、久しぶりだった。


陸が花火大会に行くと言い、彼の母親が浴衣を貸してくれたんだ。


「まりんに買っておいたんだけど、あの子、自分で買っちゃったのよね。」


って‥。


藍色の浴衣は地味な柄だったけど、あたしはとても嬉しかった。


「ユーナ、チョー可愛いナ♪」


空羅を抱いて、陸が微笑む。


あたしは、


「うん♪」


って、頷いた。


 
< 585 / 666 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop