純愛♡ごっこ
 

「なぁ、赤ちゃん触らせて♪」


陸が抱っこしている空羅に、彼女達は順番に触る。


「可愛い~!」


「柔らか~い!」


恥ずかしいのか、空羅は陸の胸に顔を埋めている。

タッキーと奈月が微笑ましそうに、その光景を見ていた。


「もしかして、リクの子?」


ひとりが訊いた。

反射的に、あたしは、陸の横顔を見上げた。


「そ、オレの子♪」


陸は、優しい笑みで答えた。


途端、あたしは胸がイッパイになって‥。

潤んで来る目を見られたくなくて、彼女達に背を向けた。


 
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