純愛♡ごっこ
「ユーナ、またね♪」
奈月が手を振った。
「ん♪またメールする。」
あたしも手を振り返した。
「リク、またね♪」
奈月の真似をするタッキー。
「先輩、それ、キモいかも。」
お約束通り、ツっこむ陸。
あたし達は、笑い合った。
二人にバイバイをして、帰り道を急ぐ人混みに紛れ、陸とあたしは並んで歩いた。
疲れたのか、空羅は陸の腕に抱かれてキモチ良さげに眠っている。
「なんかシアワセ♪」
「ん、オレも♪」
蜂蜜色の丸い月が、あたし達を見下ろしている。
陸とあたしは立ち止まり、夜空を仰いだ。