純愛♡ごっこ
 

「ユーナ、またね♪」


奈月が手を振った。


「ん♪またメールする。」


あたしも手を振り返した。


「リク、またね♪」


奈月の真似をするタッキー。


「先輩、それ、キモいかも。」


お約束通り、ツっこむ陸。


あたし達は、笑い合った。


二人にバイバイをして、帰り道を急ぐ人混みに紛れ、陸とあたしは並んで歩いた。


疲れたのか、空羅は陸の腕に抱かれてキモチ良さげに眠っている。


「なんかシアワセ♪」


「ん、オレも♪」


蜂蜜色の丸い月が、あたし達を見下ろしている。

陸とあたしは立ち止まり、夜空を仰いだ。


 
< 592 / 666 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop