純愛♡ごっこ
chapter.22 涙のBirthday
8月末の朝、あたしはATMに寄り、月割りにして貰っている保証金と来月の家賃を、前田さんに振り込んだ。
その後、いつものように仕事に向かった。
一時を過ぎ、昼休憩を取っている時、ケータイが鳴った。
着信を確認すると、前田さんだった。
「もしもし、前田ですけどね。星野さん、今月の振り込みやけど、金額多かったわ。」
「え?」
数日前に、マンションの保証金の残りを陸が全額支払ったと、前田さんは話した。
─ なんで、陸が‥?
陸のキモチが嬉しい反面、複雑な心境だった。
夏休みのバイト代、きっと全部を使ったはず。
そう思うと、やり切れなかった。