純愛♡ごっこ
その夜は、三人で誕生日パーティをした。
小さなデコレーションケーキに、長いキャンドルが一本と短いキャンドルが八本。
照明を消した部屋に、炎がユラユラと揺れた。
「一気に吹き消したら、願い事が叶うんやって♪」
陸は、そう言うと、蝋燭を一気に吹き消した。
「お誕生日おめでとぉ♪」
「アリガト♪」
「ね、なんて願い事したん?」
「秘密だし♪」
「あー、イジワル!」
ケーキの上に飾られたイチゴに空羅が手を伸ばし、パクッと食べた。
「ッとに、食いしんぼやナ♪ソラは。」
「ケーキ、切るから待っててね♪」
あたし達のシアワセな夜は、楽しく賑やかに過ぎていった。