純愛♡ごっこ
 

空羅のサプライズは、それだけじゃ無かった。


空羅は、掴んでいたあたしの腕から手を離し、両手を顔の位置まで上げて、ゆっくりと三歩、歩いたんだ。


「あーッ!歩いた!リク!ソラが歩いたァ!」


周りに居る人達が驚くくらいの大声で、あたしは叫んだ。


「スッゲ!ソラ、スゲーじゃん!もっかい歩いてみろよ!」


陸も、あたしに負けないくらい興奮していて、座り込んだ空羅を立たせると、そっと手を離した。


空羅は、また両手を上げ、バランスを取りながら、ヨチヨチと三歩進んでペタンと芝生に座った。


「ソラ、ありがとぉ♪母さん、めッちゃ嬉しいよぉ!」


あたしは、空羅を抱きしめた。

涙がイッパイ溢れて来た。


陸に頭を撫でられ、空羅は嬉しそうに笑った。


 
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