純愛♡ごっこ
chapter.23 クリスマス
小さな部屋に白いツリー。
ピンク色のオーナメントが、クリスマスライトにキラキラ光る。
バイトを休むと言った陸を、あたしは空羅と二人で待っていた。
約束の時間は、午後七時。
時計の針は、30分を過ぎている。
『今、どこ?』
待ちきれなくてメールを送ってみたけど、返事は来なくて‥。
あたしは、不安になっていた。
「遅いね‥。イヴの約束、忘れてるんかな?」
空腹の空羅は我慢も限界で、ローテーブルに置いたチーズフォンデュの具材のパンに手を伸ばす。
「先に食べちゃおっか?」
あたしは、固形オイルに火を点けた。