純愛♡ごっこ
 

いつからか、あたしには、オリオン座が人の死体に見える。


「やっぱ、怖い‥。」


恐ろしくなって、夜空から視線を逸らし涙を手のひらで拭いた。


「ユーナ、知ってるか?」


ベンチに腰掛けた恭介が、あたしを見上げた。


「何を?」


あたしは、彼を見下ろした。


恭介は、徐に立ち上がると


「俺のすきなヤツ。」


と、言った。



─ ん?



「知るワケ無いやん。てか、誰?マミ?」



恭介が恋の相談?

珍しいこともあるもんだ‥



なんて思っていると、彼は少しの間を置いて、真面目な声音で言った。


「たぶん、ユーナや。」


 
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