純愛♡ごっこ
 

サンタに変装することを急に思い付き、衣装を買うのに手間取ったと、陸は話した。


「四件目の店で、やっとヒットしてビックリさせたかったから、メールも返さんかった♪」


「もぉ。リクは、やっぱガキンチョやな。事故ったんかなって、本気で心配したやん‥。」


唇を尖らせるあたしに


「ゴメンナサイ。」


と謝って、テーブルに着いた陸は、ようやく泣き止んだ空羅を膝の上に座らせた。


「ソラ、ビビらせてごめんナ。」


「んでも、ありがとぉ♪素敵なサンタさんやった♪」


「どぉいたまして♪」


陶器の小さなお鍋の中で、溶けたチーズがグツグツ鳴った。


 
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