純愛♡ごっこ
 

シンは、あたしの腕を掴むと力任せに引っ張った。


「オマエも、俺らのゲームに参加させたるわ!来いや!」



─ ゲーム?


  きっと、輪姦のことや‥



「ヤメて!」


あたしは片方の手で鉄柵を掴み、足を踏ん張った。

そして、シンに引っ張られている腕を必死で捩った。


周りにいる人達は気付いているはずなのに、誰も止めてくれない。

斗輝くんはケータイで通話中らしく、あたしに背を向けていた。


「ケイ!車、廻せよ!」


指示された慧が道路に向かって走って行く。

シンは、あたしの腕を掴む手に、更に力を込めた。



─ あかん、拉致される‥

  空羅は、どうなるん?



「離してっ!変態!!」


あたしは、パニックに陥った。


 
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