純愛♡ごっこ
 

「どいて!どいて!危ないっすよー!」



─ え‥?

  どこ?


  あ‥



歩道橋の階段の中腹に、Tボードに乗った陸が見えた。


陸は、あたしに目で合図して、体勢を低く構えると‥、

勢い良く空を翔んだんだ。


真っ赤なTボードが大きく弧を描く。

街灯にキラキラ輝いている。



─ リクレッド‥



天空を翔ぶTボードに乗った陸がスローモーションのように、あたしの瞳に映っていた。


「リク、カッケェ!」


斗輝くんの叫ぶ声が広場に響いた。


 
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