純愛♡ごっこ
 

恭介には、柄の悪い友達が何人かいた。

彼らは、時々、恭介の家でタムロしていて、そんな中に、あたしも混ざるようになった。


その日も、みんなで集まっていて、遅れて来る友達を待っていた。


階段をパタパタと駆け上がる音が響き、その友達が部屋に入って来た。


「遅かったな!」


「悪い、悪い。でもほら、手に入ったで!」


「ッしゃ!ヤろか!」


友達のひとりが出して来たのは、シンナー。

鼻腔を刺激するイヤな匂いが、部屋の中に充満する。


男の子達は、空き缶やビニール袋にティッシュを入れ、そこに液体を垂らし、それらを口元に寄せた。


恭介の親は共働きで、土日も家にいない。

弟の和樹も、その日は遊びに行っていた。


 
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