純愛♡ごっこ
 

「ユーナ、ちょ、来い。」


不意に、恭介に腕を掴まれた。


よく見ると、恭介は、空き缶もビニール袋も持っていない。

あたしは立ち上がり、彼と一緒に廊下に出た。


校則違反の金髪はサラサラで、前髪が細い目を隠している。


恭介は、その細い目で、あたしを見つめると


「帰れ。」


と、言った。


「なんで?どうなるか見たいねん。」


「あほか。アイツらラリったら、ユーナに何するか分からんやろ。」


「え?」


「俺、アイツらにユーナを触られたく無いねん‥。」


彼はそう言って、あたしを廊下に残し、部屋に戻った。


 
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