純愛♡ごっこ
その時、部屋の扉が勢い良く開いた。
和樹は、咄嗟に、あたしから離れた。
だから、恭介は見ていないはずなのに‥。
「サイッテーやな、オマエら。人の部屋で何してくれてんの?」
半ば自嘲気味に、吐き捨てるように、恭介は言った。
「俺ら、下から見ててんで。窓に影が映ってたわ♪」
コンビニ袋を下げた男子が、笑い混じりに口を挟む。
─ サイアク‥
誤解を解きたいキモチはあったけど‥。
「カズがあんま可愛いから、食べそうになったねん♪じゃ、あたし帰るわ。」
あたしは、和樹を庇った。
ホントのことは、話さなかった。