純愛♡ごっこ
「な、ユーナ‥。」
帰り際、恭介は真剣な目で、あたしを見つめた。
「なんかあったら言って来いよ。遠慮すんなよ。」
マミが怪訝な顔をした。
恭介が必要以上に、あたしを気にすることが引っ掛かるのかもしれない。
「ダイジョウブ♪あたし、シアワセやもん。」
そう答えて、笑顔で二人に手を振った。
恭介の中で、あたし自身どんな位置を占めているのか分からない。
けれど、あたしと恭介は、四年も前に始まる前に終わったんだし、この先、始まることも無い。
「恭介、マミのこと、シアワセにしたげてな♪」
穏やかな風が吹き、あたしの髪を揺らした。
見上げた空には、ゆっくりと真っ白な雲が流れていた。