純愛♡ごっこ
chapter.04 束縛
9月下旬、大安の日を選んで、あたしとシンは籍を入れた。
結婚式は、挙げなかった。
あたしは派手なことが嫌いだし、何より、親のいないあたしとの結婚を、シンの両親が猛反対したからだ。
「意外とイイ家の子やねんな。シンって。」
「あほか、フツーや。小市民やで。」
親の反対を押し切ってでも、あたしを選んでくれた彼。
全力で守られている‥。
そんな風に感じて、とても嬉しかった。
「今日から、高原夕凪(ユウナ)やな。」
「うん♪」
あの日以来、シンは、一度も暴力的になっていない。
あたしは、彼への信頼感を取り戻していた。
だけど‥。