純愛♡ごっこ
 

「ライト点けろや。」


「あ、はい。」


シンと言う男が指示をして、あたしの横にいた男がルームライトを点けた。


明るくなった車内で、シンは、あたしを値踏みするように眺める。


お酒を飲んでいたのか、ツンとアルコールの匂いがした。

あたしは、顔を背けた。


「痛ッッ!」


突然、シンに髪を掴まれ、強制的に目を合わせさせられた。



─ もう、どうなってもイイや‥



「変態!」


あたしは、シンに向かって吐き捨てるように言った。


何もかもが異常。

そんな密室の中で、あたしの感覚は麻痺していたんだ。


あの頃みたいに‥。


 
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