純愛♡ごっこ
 

「ありがと~、また来てな!」


「ユーナちゃん、バリ可愛い!愛してるよ~ん♪」


「ナツキちゃん、またメールするからなァ!」


彼らに路上まで見送られ、あたしと奈月は手を振った。


「バイっちゃ♪またね!」


「また明日ぁ~♪」


12月の早朝は暗く、とても冷え込んでいて、あたしは羽織ったコートの前を合わせた。


「楽しかった♪奈月、ありがとぉ。」


「うん!また一緒に来よ♪」


大ハシャぎした余韻が、まだ胸に残っている。

けれど、あたしの中に急激に憂鬱が襲い掛かって来た。


まるで、門限を破った子供みたく、心臓がギュッと縮んだみたいになった。


 
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