純愛♡ごっこ
 

これで、今すぐ帰って来ても、少しは時間が稼げる。


大慌てでバスルームに入り、メイクを落として、店内のタバコの匂いの染み付いた髪を洗う。

冷え切った体を震わせて、熱めのシャワーで温めた。



─ まだ帰って来ませんように!



念じながら、バスタオルを巻いた姿で、ケータイをチェックする。

シンからの連絡は、届いていなかった。


直ぐさま、着ていた派手目の服や、使ったバッグをクローゼットに押し込んだ。


「証拠隠滅!」


し忘れたことが無いか入念にチェックした後、あたしはパジャマに着替え、濡れた髪をドライヤーで乾かした。


そして、玄関ドアのチェーンロックだけを外し、ベッドに潜った。


 
< 91 / 666 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop