純愛♡ごっこ
アイツだったら、どうしよう‥
一瞬、そんな不安が頭を過ぎる。
けれど、受話口で響いた声は、どこか聞き覚えのある若い男の声だった。
「もしもし、ユーナさん?」
─ 誰だっけ‥
「はい‥。誰?」
「いきなりでゴメンナサイ。オレ、リクです♪」
「え?!リクくん?なんで?」
口から心臓が飛び出しそうになった。
シンが寝返りを打ち、ドキッとしたあたしは、慌ててベランダに出てガラス戸を閉めた。