純愛♡ごっこ
 

パジャマのままの全身に、冷たい風が絡む。

あたしは、僅かに陽の当たる柵側に体を近付けた。


「びっくりした‥。てか番号‥、なんで?」


あたしのケー番を、陸が知っていたことを不思議に思った。


「めッちゃ前に、オレのケータイ探して貰ったの覚えてます?」



─ あ‥



「あん時?番号、残ってたんや‥。」


「残ってたんじゃ無くて、残してた。ゴメンナサイ!」


8月の終わり頃‥。

落としたケータイを探す陸を見掛けて、あたしのケータイから彼のケータイを鳴らした。


その時のことだ。


陸がケー番を消さずにいたことに、ちょっぴり驚いたけど


「‥そっか。で?」


あたしは、用件を尋ねた。


 
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