純愛♡ごっこ
あたしは、咄嗟に嘘をついた。
「叔父さん。ウザい電話。なんかケー番バレたみたい。」
「ほんまか?オマエ、ケータイ貸せや!」
ガバッと布団から起き上がり、シンはあたしに向け、勢い良く右手を突き出した。
嫉妬深い彼が疑いの目で、あたしを睨む。
バレたら大変だと、本能が警鐘を鳴らした。
「イイけど、掛け直したらあかんで。毎回、金の話やもん。マジ、ウザいねん。声とか聞くのもイヤやし。」
陸のことを、シンに知られたくない。
何も知らない陸を、むやみに傷付けたく無かった。
シンは、ケータイの発着信履歴、メール送受信履歴、それから電話帳をチェックして、あたしに向け、ケータイを放り投げた。