運命の、その場所で
「じゃー、また明日!」
「うん、ありがとう」
ナチと家の前で別れた。
断ったのに、結局家まで送ってくれた。
背中を丸めて歩くナチの後姿が見えなくなるまで
私はずっと門のところでナチを見ていた。
ナチの姿を見てると、たまに考えてしまうことがある
本当にナチは自分を見せてくれない人だ
それに…どうして私になんか近づいたのかな?
女遊びが激しかったんなら、もっと他に女はたくさんいるのに
どうして?
聞きたくても聞けない疑問。
聞いて、その真実が苦しいモノなら聞かないままでいたほうが幸せに思うから。
今はただ、こうやって友達として側にいれるだけで
幸せに思うから。