運命の、その場所で

居場所

ナチに送ってもらい家に帰ってきた。

さっきまでヒカルの新しい武勇伝を聞いていたせいか、まだ少し顔が笑っていた。


家には電気がついていて、ママは帰っているようだ。


「ただいま～！」

扉を開けながらそう言ってママの方を見た瞬間
私はさっきまでの余韻を一瞬で忘れた。


「おかえり。あのね…この人、ママの彼氏なの。」



そこにいたのは、見たこともない男の人がママの横にピッタリとくっついて座っている。


「どーも、ユキちゃん。始めまして。」

ペコっと礼をして無理やり笑顔を作ってるのが私にはすぐにわかった。


「どーも。」

「ごめんね？愛想のない娘で…
もーユキ？この人もうすぐパパになるんだからね？
ちゃんと挨拶しなさい！」


パパになる？


誰が？


なんで？


なんのために？