運命の、その場所で
「さむッ!」
横に立った彼も、寒さを体感し声に出して震えた。
「…冬だね。」
空を見ると、夏とは違う空が星達を抱えて広がってる。
「まだ冬には早いだろ。」
ちょっと笑った彼の声。
「え?でも…この寒さは冬だよ。
それに…中に何か着てるんでしょ?」
私がそう言うと、私をじっと見つめる。
「な、何?」
「…寒いんじゃねーの?」
そう言うと、自分の学ランを脱いで私に着せてくれる。
フワっと臭う、彼の匂いにまた顔が熱くなってしまいそう。
「あ、ありがとう。」
「おう。」