運命の、その場所で
カーテンを開くと見覚えのある人が立っている。
ダレだっけ?
「あ、ごめん。起こした?」
少し笑いながらそう言う彼…
髪は黒で…身長は私より少し高い。
学ランの下に、なんかよく分からないスウェットを着てる。
真面目では…ないな。
授業サボルくらいだもんね。
彼をジッと見てると、
何故か朝の記憶がよみがえってきた。
「…あ!」
「あ?」
そう…彼は、朝私に死に方を聞いてきた人だ!
「朝の…」
「朝?」
指を指したままそれ以上言葉が出てこなかった。
彼は何かを思い出すように難しい顔をしてる。
そして思い出したのかパッと笑顔になって私を指さす。
「朝の読書っこ!」