スノーマン*☆セレナーデ
「さて、今度はわたしが君を連れて行きたい場所があります。
お付き合いくださいますか?」
「えっ?」
「もうすぐ夜が明けます。急がないと」
スノーマンはあたしの返事を待つことなく、再び空高く舞い上がった。
街の明かりが小さく星の瞬きのように輝く上を、あたしはスノーマンと共に空を飛ぶ。
こんな風に空を飛んだことなんてあるわけないのに、何故か不思議と怖くはなかった。
彼の目指すその先に、明るい地平線が見えたころ、あたし達は白い砂浜に降り立った。