スノーマン*☆セレナーデ
浅はかな現実…
「じゅん!!
遅刻するわよっ!!!」
窓から差し込む日の光と、階下から聞こえる母の大声で目が覚めた。
ひんやりとした枕の感触に、口元から垂れる涎を拭う。
――いや、涎じゃないって、涙!!!
どうやら不覚にも、あたしは泣きながら眠ってしまったらしい。
手にしっかりと、出来上がったばかりの赤いマフラーを握りしめて。
――そうだよ、昨日やっと完成したのに……
身体をよじってメガネをとり、机の上の目覚まし時計を見た。