スノーマン*☆セレナーデ
「って、なんでもっと早く起こしてくれないのよぉ!!!」
「もう、百回くらい起こしたわよ。
ち、ちょっと、順、顔くらい洗っていきなさい。
酷いわよ……」
顔を合わせた愛娘を見るなり、母が顔をしかめた。
――って、そんな酷いの?
そのまま回り右して洗面所へ。
メガネを外し、鏡を見て絶句した。
自慢の大きな目は、泣き腫らしたせいで一重になって、涙の跡が頬に薄黒くこびりついて、まるでゾンビの様相だった。
取り敢えず冷水で顔を洗って、髪を梳かして、一応身だしなみを整えて。
――惨めだ……